滋賀県労連の日々

滋賀県労連の事務局から発信します。

ケア労働者の賃上げアクション

ケア労働者の賃上げアクション

3月9日の記者会見の様子

 滋賀県労連はケア労働者の賃上げアクションの取り組みとして医療、介護、保育、福祉の事業者に政府の処遇改善事業について緊急のアンケートを行いました。期間は2月初旬から28日までで、783通発送し101通の返信(回答率12.9%)が寄せられました。

 回答の内容からは事業者の苦悩や痛みが読み取れます。「一つの組織においてもらえる職種、該当しない職種が混在すると不公平が発生し政府の思うような賃上げにならない」(医療)、「対象職員の拡大をすれば、改善額が平均9,000円にならないため、職員から不満の声が上がっている」(障害)、「賃金格差解消にならない額である」(保育)など不十分なうえ分断を生むことを危惧する回答が多数寄せられました。

 それでも、75%の事業者が処遇改善を申請する、36.7%が対象外の職種に持ち出しで賃上げすると回答、人材確保や負担への労に報いるため何とか引き上げをと取り組む姿が見えます。

 

事業者の9割「月4万、時給250円以上の賃上げは当然」と回答

 ケア労働者に月4万以上、1時間250円以上の賃上げが必要だという県労連の考え方の受け止めを聞くと78.3%が妥当、10.9%はそれでは低いと回答、9割の事業者が賃上げの必要性を強く求めていることがわかりました。

 

結果をもとに記者会見を開催

 3月9日、県労連は県庁会見室で記者会見を開催、結果を発表しました。報道機関6社が参加され、京都新聞中日新聞しんぶん赤旗などに掲載、他の報道機関から引き続く取材など受けています。

 当日は合わせて自治労連の杉本高委員長が、県内の自治体の申請予定状況のアンケート結果を発表しました。「取り組まない自治体が多い」「正規と非正規共に申請するのは3つの自治体」「会計年度任用職員のみも目立つ」と報告、条例の改正が必要であることや、10月からの不透明さもあって市町が取り組みにくくなっていると指摘しました。国や県市町に要請を続けたいとしました。

 

労働者のVOICE(声)に基づいて

 また、労働者の声に基づいた実態について各組織4人から報告がありました。

福保労・清水俊朗書記長

 実際の組合員から寄せられた声、実際に暮らしにかかっているお金を元に報告、「9,000円では足りない」「基準以上に職員を配置しているため9,000円は出ない」など国の制度は非常に問題があると指摘しました。

大津市労連・放課後児童クラブ

 通常の保育は勿論、コロナ対策も苦労している。常に人手不足、その中で保育もコロナ対策も施設管理もしている。一番の課題は職員の処遇改善。働き続ける職員を確保したいが若い人が来ない。国県市に対策を講じてもらいたい。

医労連・宮武眞知子さん

 全職員に支給されるよう強く要望したい。職種の限定はチームで働く現場に不協和を生む。ケア労働者は社会で基盤をなす。低賃金で国民の命を守れない状況がある。コロナ禍で人手不足に拍車をかけている。処遇改善はうれしいが、不十分でこれでは報われない。

自治労連・波川尚志書記次長

 処遇改善をするところとしないところがあると人材の流出が起こる。県内の公務職場では地域手当の差で県内外へ人材流出が起こっている。この事業は経済対策として行われている。そうであれば介護報酬の改定、配置基準の改定などすべき。県から国に声を上げて欲しい。

 

 その後質疑を受けました。アンケートの報告は下記から。ぜひ、拡散・活用ください。

https://www.careunion-shiga.com/archives/327