滋賀県労連の日々

滋賀県労連の事務局から発信します。

最低賃金審議会

県労連ニュース 8月4日号と8月8日号を掲載します。

8月4日

最低賃金 中賃目安出る

滋賀県のBランクは40円

 滋賀地方最低賃金審議会(平井建志会長)は8月1日、第2回の審議会を開催、中央最低賃金審議会が7月28日に出した目安(Aランク41円、Bランク40円、Cランク39円)を伝達しました。異例だと思いますが、中賃の会長代理のビデオメッセージが上映されました。

 この場で県労連一般労組、コープしが労働組合、滋賀自治労連からの意見陳述を行いました。委員からの質問などはありませんでした。最賃審議開始にあたっての県労連からの意見書と滋賀弁護士会・会長声明が届けられていることが事務局から紹介されましたが、配布されず、資料としておかれているだけでした。

(写真下:意見陳述日の労働局前)

 労働者側は人への投資の重要性や物価上昇、地域間格差に触れ、意見も踏まえて確実な引き上げをと求めました。

 使用者側は昨年の引上げも含め今年のBランク40円の目安は影響率が過去最大であるとし、中小企業の負担の重さ、エネルギーや原材料の高騰を踏まえ慎重に検討を、としました。

 中賃目安については最賃近傍で働く労働者の実態に即しておらず、またさらに地域格差を生むものであり強く抗議します。

専門部会の公開は不十分

 同・専門部会(平井建志部会長)は8月2日、3日、4日の午前に審議を行いました。連日傍聴を行いましたが、公労使の3者協議以外は非公開で全日とも審議の大部分は退席を求められいずれの日も傍聴できたのは10分程度でした。協議は公益と労働者、公益と使用者といったように協議し、3者で議論する場面はほぼ無いようです。

 参加した組合員からは「公的な会議なのだから一般の国民にもわかるような運営をしたほうが良いではないか。例えば、冒頭でこれまでの経過を説明したり、双方の主張を説明したりして、それぞれが代表としての役割を果たしているかどうか、一般の国民が評価できるようにしたほうがいいと思う。会議を公開対象にするのは民主的な運営をしていることのアピールにもなるので、部分的な公開や一部しか公開しないことになるとかえって、ますます疑いが出てきてしまう」と意見がありました。今後労働局に伝えていきます。

専門部会967円で審議会に報告

 1日目のまとめでは労働者側は大幅な改定を求め、使用者側は経済が厳しいとして合意に至らないとしました。

 2日目のまとめで労働者側は目安を上回る5%(約973円)を主張、使用者側はめ安を下回る2.94%(約954円)の引上げを求めました。

 3日目の審議のまとめでは労使の隔たりが埋まらず、目安通りの改定(時間額40円増の967円)として採決し、賛成は6(公益委員2人、労働者委員3人、使用者側1人)反対は1(使用者側委員1人のみ)でした(専門部会は各委員3人ずつ、公益一人が部会長なので採決に加わらず、使用者委員1人欠席)。

 7日に第3回審議会が行われ、この場で採決され、10月初旬に改定される見込みです。

県労連はあまりに不十分として異議を申し立てる予定です。

 

8月8日号

滋賀最賃967円で答申

 滋賀地方最低賃金審議会(平井建志会長)は8月7日、第3回の審議会を開催、中央最低賃金審議会が7月28日に出した目安Bランク40円を踏襲し、967円として小島裕労働局長に答申しました。

 

あまりに低額な水準

 報道では過去最高の引上げと文字だけが躍りますが、これまでの改定が暮らしを顧みない低い水準を維持してきたことや、物価高騰を加味していると全く言えず、あまりにも低額な水準での公労使委員による決着に抗議します。

 

近隣府県との差で影響

 県労連は近い将来に全国一律となることを強く求めています。一方、現行の制度・水準の中で通勤圏の大阪(8月7日1064円と答申)、京都、兵庫は1000円を超え、兵庫は今年さらに1円積み増しで1001円と答申(8月7日)しており、格差が顕著です。1000円でも不十分ですが、900円台と1000円では印象が違い、雇用労働の随所に影響が起こり得ると考えます。

 

あまりにも不公正で閉鎖的な審議

 最低賃金審議会の公労使委員は公募されますが、労働者委員を連合の大産別労組に独占させており、はじめから公正でありません。また、今年から専門部会が公開され、連日傍聴しましたが公開されるのはほんの一部で、議論を伺い知ることは全く出来ませんでした。

 審議会では採決が行われ、使用者委員2人(企業経営者、経済団体)が反対しましたが賛成多数で可決しました。

 反対した委員は967円が高いというのでしょうか?賛成した委員は967円でいいというのでしょうか?それでなぜ暮らせるというのでしょうか。それぞれの意見を明らかにすべきですが、審議の場でも議事録にも記されません。事務局の労働局担当者はメディアに採決の場面は撮らないようにと言います。公募によって自ら参加をした組織の代表者として、それぞれがなぜ反対したか賛成したか明らかにすべきです。

 県労連は異議を出し再度の議論を求めます。また、出すことを広く呼びかけます。公示はまだですが、締め切りは22日で、翌23日の第4回審議会で議論されます。